山小屋"ダルセーニョ"の滞在日誌

このページ゜は小生のホームページが開通してからダルセーニョの滞在状況を気ままに記載したものです。このページの記載は2002年の記録です。


2002年のできごと


ダルセーニョに農園を開設しました。以下内容をご報告致します。


T.作物のアイテム

 とうもろこし・枝豆・パンダ豆・じゃがいも・ねぎの5種類としました。 これらはナスやトマトなどの実物に比べて日常的な手入れが比較的少なく、ねぎを除いて一括収穫となるので、好都合です。尚、本農園開設につきましては、地主さんであります、きのこやさんの全面的なご協力によって土地や種苗などの無償提供によるものです。この場を借りて厚くお礼申し上げます。
また、千葉白浜の祐悠庵の実績に惚れ込み、椎茸の栽培も始めることにしました。材料のホダ木は祐悠庵から提供です。

U.農園作業日誌

 1.床づくり (5月2日)
 全国的に早い春の訪れにここ片品の気候もすっかり春めいて来ました。例年この時期満開の桜は1週間ほど早まりハラハラと散り始めました。きのこやさんのご指示で山小屋の直ぐ下の南斜面の絶好の土地約50坪。ここは1年間休ませた土地で、除草作業と畝づくりからスタート致しました。土壌の特性は黒土に粉砕した軽石のような物質との混合で保水力と併せて水はけがよく、理想的な状態であります。

    
       雑草とり                                    畝づくりと元肥


 2.種蒔きと苗の植付け
 パンダ豆は高原豆の一種でパチンコ球より少し小さい豆です。球の半分が白、残りの半分が黒色で煮るとふやけて、黒の部分が紫色に変色する珍しい豆です。変種にトラ豆と称する黄色い縞もようのものもありますが、いずれも海抜600メートルくらいの高度がないと花は咲いても結実しません。朝夕と昼の気温差と気圧の関係ですかね?

  
    バンダ豆の種蒔き                          ネギの苗植え


 3.椎茸の種つけ (5月3日)

 ホダ木は千葉白浜から「まてばしい」を伐採して持参しました。尚、この「まてばしい」は幹の太い部分は炭焼き用材料とし、手頃な太さのものを椎茸栽培用としてご提供いただきました。炭焼きについてはトモローランド共和国のページをご覧下さい。
     
  ホダ木にドリルで穴を明ける      駒を穴に挿入する           ハンマーで沈むまで叩く

尚、この椎茸の収穫時期は来年(2003年)秋になる予定です。どうぞ試食においでください。


4.発芽・竹組み (6月14日)
 種蒔き後雨が殆ど降らなかったことと、野鳥の食害により、パンダ豆の発芽率は半分。枝豆は3分の1。トウモロコシは発芽はほぼ100%。ねぎとじゃがいもは順調に生育中である。  パンダ豆はきのこやさんのご好意で苗を無償で譲受け作付ける。枝豆は追加で種蒔き。 今回の作業は草取り・追肥・土寄せ・竹組みがメイン。 中でも竹組みは長さ4メートルの篠竹を某河原から採取して、現地に運び、台風等で倒れないように深さ50cmに埋め込んで紐で固定した。

   
   パンダ豆の苗植え                            完成した竹組み


5.成長期の手入れ  (7月5日)
 その後は梅雨にはいり降雨も順調。前回から3週間経過であったが順調な生育をみた。
今回のメイン作業は除草・土寄せ・消毒など
パンダ豆=一部のものは既に蔓が巻いている。順調である。
とうもろこし=一部鹿の害をうけたものもあったが大事に至らず。対策として鹿が入らないようにフェンスを張る。
枝豆=追加蒔きは発芽したが全体的に生育が悪い。どうやら、種子の品種選定に間違いがあったか?
じゃがいも=高さ50センチほどに成長。開花が満開だ。
ねぎ=元来強い品種であり、順調に生育中。もう食えるぞ!

  
  蔓が巻き始まったパンダ豆                        順調な生育のとうもろこし

         
  除草・土寄せ作業の後の消毒作業 (スミチオン1000倍液)                    開花したじゅがいも


6.ジャガイモの収穫(8月6日)
 ジャガイモは開花からちょうど1ケ月で完全に幹が枯れた。今年は雨が少なく日照りが続いたためか?
 収穫したジャガイモは表面がサツマイモのように赤く、中身はやや黄色味を帯びているが、その味はなかなか美味であった。
 収穫量は30Kg程度、全般に小振りのものが多かった。種は2kg程度だったから15倍に殖えた計算になる。

   



7.その他の成長状況(8月6日)
 パンダ豆は完全に蔓を伸ばし、開花時期を迎えていた。雑草は相変わらず物凄い勢いで繁殖し続け、雑草との格闘である。とうもろこしは、あと10日程度で収穫時期を迎える。

    



8.とうもろこしの収穫(8月16日)
 片品村はこの時期お盆の最中。農作業も一休みし、あちこちで名物の八木節が聞こえます。ここの盆踊りはいわゆるライブで櫓の上では笛、太鼓、鐘の伴奏。歌い手は交代で自慢の喉を披露します。都会のレコード(今はCDかな)に比べれば情緒たっぷりです。
 気候は既に秋です。朝方の気温は20℃を切ります。17日の朝は特に冷え込み8月としては異例のストーブ点火となりました。
 25本植えたとうもろこしはしっかりと太り先端の毛花が茶色に枯れ、収穫期を告げていました。
 たった一粒の種からこんなに見事なおいしいとうもろこしが出来ることに改めて感謝感謝。すごーく甘くておいしかつた。
    

 一方、パンダ豆は4メートルの竹組を超える成長ぶり。途中にびっしりとサヤを付け、秋の収穫が楽しみである。
            



9.パンダ豆の収穫(9月23日)
 今年はなぜか季節のめぐりが早い。9月も半ばを過ぎると急速に涼しくなり、朝晩は暖房が必要となってくる。
パンダ豆の収穫時期は10月頃と聞いていたが、既に葉は色づき、一部のサヤは収穫時期を知らせてくれる、喜びの瞬間である
   
    4メートルに成長したサヤを脚立で収穫。 サヤを乾燥した後に豆を取り出す。

    
   収穫したパンダ豆はパンダのような黒と白の珍しいデザインの豆。しかし煮るとふやけて紫色に変化する。
   収穫したての豆は3時間程水に浸してからやや多めの砂糖に少量の塩と醤油で煮る。極めて旨い味である。


10.秋野菜にチャレンジ(9月25日)
 パンダ豆の収穫とともに今年の畑はクローズとなるが、つかの間の秋に白菜と大根の作付けにチャレンジする。
 畑は幅50センチ程度の畝を作り、マルチと呼ばれる黒いビニールシートで覆う。シートの両端に土をかけ、風などでシートが飛ばされるのを防止する。これら一連の作業により、保湿・保温・雑草の抑制などの効果が期待できる。

   
 ビニールシートに50センチ間隔で直径7センチ程度に切り取る。この作業はカッターで切り取ってもいいが、缶ビールの空き缶を炭火などで熱して押さえると綺麗な円形で切り抜くことができる。この部分に大根は種を、また白菜は苗を植える。
元肥は、畑がある程度肥えている場合、肥料は控えめでよい。あまり肥料を多くすると特に大根は葉ばかり繁り、本来の目的である根が太くならず、また、根割れを起こすことが多くなる。


11.本年最後の畑作業(11月10日)
 10月に一度パンダ豆収穫を実施したが、本年最後の収穫を11月に実施した。今年の片品は異常な気候で11月初旬にも拘わらず季節はずれの大雪に見舞われ60センチの積雪を見た。周囲は紅葉も終わらないうちに大雪が降ったため木の枝が折れるなどの被害も出たが、何よりもたいへんだったのはスノータイヤを未装着の車での現地到着に時間を要した。

   
  紅葉真っ盛りの中の大雪         積雪の中のパンダ豆の収穫


12.大根の収穫
大根は40センチの雪を掻き分けて掘り出しました。種蒔きからたった40日間でなかなか立派な大根が収穫できました。
この取り立ての大根はそのまま角切りしてマヨネーズをつけて食す。甘味が多く格別な味。大根おろしも絶品です。
尚、白菜は間違って野沢菜の苗を植えるという失敗をやらかしました。でも野沢菜の漬物は美味でした。
          
        
 春から連載したダルセーニョ農園、本年はこれをもって一段落と致します。経験が少ない仲間達でやってきた農園ですが、いい土地と地主さんの萩原日郎さんと悦枝さんのご指導で収穫も順調で楽しい1年間でした。また、収穫した作物の味は関係者皆さんに味わっていただきましたが絶賛の声を戴きました。来年はトマトなど、また未知のものにチャレンジの予定です。
ありがとうございました。


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Akimitsu Goto / 後藤 昭光 akimitsu@gotou.to